ツナミの女/80S青春群像『ヒートフルーツ』豪女外伝/津波祥子バージョン編【完結】

その21
祥子


「祥子さん…、あれ…!凄すぎじゃないっすか⁉」

「ああ…、凄すぎだわ」

リエは相変わらずだったよ

それに、後方フォローは積田さんとこのバイク部隊と湯本あっこが加わった、赤と黒の混成ユニットじゃん…

すげーって、これ!



でだ…、”それ”をココの敵さんも同感だったようでね(笑)

大窓の向こう側で繰り広げられてる光景に、御手洗らは固まってるし(爆笑)

ここで私はガツンと一言入れてやったよ

「御手洗!あの連中がここから出てかなきゃ、アンタらもお帰しできないからな。この雇われのスキンヘッドと私がサシで勝負ってんなら、今日、これからでもいいって。どうすんだ、おー‼」

私は一気に詰めた

「うぐぐ…、貴様ぁ~~、たかが女子高生の分際で…」

御手洗は歯ぎしりをしながら、血走った両の眼で私を睨みつけてたよ

「津波…、夜道には気をつけろや!」

スキンヘッドもナイフのような目で私を射るようだったが、このタンカは吹き出しものだわ(笑)

「ああ、おおきにだわ。おっさんら、とにかく外の部下どもに、そろそろ指示してよ」

「そうそう…。もうお開きよーって、クソ連中にここから手を振ってやんなさいよ。アハハハ…」

でたわ、克子のワル乗り…



結局、私らに両脇を固められた御手洗は、ジャッカル・ワンの大窓から外の部下8人に撤収を手振りで指示出しした

そして、ほどなく外のクソ連中は去って行ったよ

私ら店内組と外の迫田リエ、墨東会の積田さん、湯本のあっこ…、それに彼女の現恋人、南部テツヤらは窓越しにロングホーンで咆哮し合い、敵さんの退路に塩を撒いてやったよ

麻衣…、とりあえずはこんなところだった

お前も今日は、さぞブッ放してきただろうけどな(苦笑)