その19
祥子
私は熟考していた
たった今、私に踏みを迫った御手洗とスキンヘッド男をここですんなり帰したとして…
果たして、こいつらはトップの大打にどう持ち帰るか…
門前仲町通り付近の偵察に出てる、レッドドッグスの日高なつきからの報告によれば、大打グループは既に連中が練り歩いていた界隈各地点からも撤退してるようだ
実際、このジャッカル・ワンに出張っていた御手洗らも、今日のところはこのまま引き上げると言っている
このことは、おそらく麻衣がジャッカル・ニャンでタマをぶっ放さなかったってことのリアクションだろうと推察できるが...
であればだ…
連中は、麻衣と私らの水面下での連携をどの程度か試しにココへ来て、ご丁寧に私を殺るって男も同行の上、その旨を宣言してるんだから、下手に引いたら敵に狙いどころを与えかねないんじゃないのか…
一方、ここでこいつらと一戦交えれば、麻衣と三田村さん…、それに星流会に加えそのバックにいる東龍会と神経戦をやってのけてる相和会の計画に水を差すリスクもアリだ
ふう…、ここは慎重に判断しないと…
…
再び、御手洗との視察戦が続く中、その沈黙を破ったのはマスターからの一言だった
「祥子ちゃん、電話が入ってるけど…」
「マスター、今行きますよ。…御手洗さん、ちょっとの間、いいっすかね?」
「ああ」
御手洗はニヤリと口元をほころばせてたが、それを私は見逃さなかったわ
どうやら連中、ジャッカル・ニャンに乗り込んでた麻衣の挙動についての報告だと気付いてるようだ
そうなら、それも織り込んだ上でだ!
…
バーカウンターのテーブルに着くと、受話器の向こうから届いたのは久美の声だったわ
「…祥子、麻衣がジャッカル・ニャンを出てこっちに向かってるよ。どうやら今日のドンパチはなかったって。で、相手は三田村さんの予想通り大打武次郎だったそうだよ。なので、それを踏まえてそっちも対応してくれってことだよ」
「そうか…。久美、確認するぞ。麻衣は暴れなかったが、宣戦布告は済ませたんだな?しっかりと…」
「うん!モロ、ケンカ売ってきたって」
「よし、こっちはそれを織り込んで客人とはケリをつける。で、私からだって伝えてくれ。ジャッカル・ワンには、都県境に常駐してた御手洗が私をヒットするミッションを受けた雇われの男と連れでお越しだとな。なんで、舐められたままで帰すわけにはいかない。しっかと私らの力は知っていただいてからお引き取り願うとな」
「わかったよ、祥子。三田村さんと真樹子さんには、そのまま伝えるから」
「頼む」
これで私の腹は決まったよ
…
「…御手洗さん、お待たせ。ええと…、今集まってる私らの仲間は、ジャッカル・ワンの風紀を乱し客をさらったあんたらクソ連中が全員、おとなしくお引き取りいただいたことを確認した後、引き上げます。なので、外の礼儀を知らないクソなお仲間を即時撤退させてもらいましょうか」
「津波…、貴様ぁ~、本郷麻衣は今日、手出ししないで戻ったんだぞ!それを知っての上でなのか‼」
「さあ…、そんなの、勝手に自分で想像してくださいな。…いいか、御手洗よう‼このジャッカル・ワンは私ら…、この都県境で猛る女たちにとっては聖域なんだよ!ヤクザがショバ代目的でタカってくれば、私らが潰す!大将の大打ノボルにも、はっきり伝えな‼」
「テメー、図に乗りやがって‼御手洗、こんなション便女にここまで舐められてありがとさんはねーだろ!」
「アンタは黙ってろ。…津波よう、ここでオレたちにの口から、”ハイわかりました”はねーよ、いくら何でもな!せっかくの機会だ。お前たちズベがどこまでやる気だかはこの目で確かめさせてもらう。やってみな!」
「そういうことなら…。とくとご覧あれだわ」
私は、入り口で既にウォーミングアップ中の迫田リエに目でゴーサインを発した
”了解!派手にやってやるよ!”
彼女からは無言でそうリターンが来たわ
へへ…、やってやる‼
”NGなき大ワル”さんよ、猛る女たちの熱いおもてなしをこってりプレゼンするぜ(笑)
祥子
私は熟考していた
たった今、私に踏みを迫った御手洗とスキンヘッド男をここですんなり帰したとして…
果たして、こいつらはトップの大打にどう持ち帰るか…
門前仲町通り付近の偵察に出てる、レッドドッグスの日高なつきからの報告によれば、大打グループは既に連中が練り歩いていた界隈各地点からも撤退してるようだ
実際、このジャッカル・ワンに出張っていた御手洗らも、今日のところはこのまま引き上げると言っている
このことは、おそらく麻衣がジャッカル・ニャンでタマをぶっ放さなかったってことのリアクションだろうと推察できるが...
であればだ…
連中は、麻衣と私らの水面下での連携をどの程度か試しにココへ来て、ご丁寧に私を殺るって男も同行の上、その旨を宣言してるんだから、下手に引いたら敵に狙いどころを与えかねないんじゃないのか…
一方、ここでこいつらと一戦交えれば、麻衣と三田村さん…、それに星流会に加えそのバックにいる東龍会と神経戦をやってのけてる相和会の計画に水を差すリスクもアリだ
ふう…、ここは慎重に判断しないと…
…
再び、御手洗との視察戦が続く中、その沈黙を破ったのはマスターからの一言だった
「祥子ちゃん、電話が入ってるけど…」
「マスター、今行きますよ。…御手洗さん、ちょっとの間、いいっすかね?」
「ああ」
御手洗はニヤリと口元をほころばせてたが、それを私は見逃さなかったわ
どうやら連中、ジャッカル・ニャンに乗り込んでた麻衣の挙動についての報告だと気付いてるようだ
そうなら、それも織り込んだ上でだ!
…
バーカウンターのテーブルに着くと、受話器の向こうから届いたのは久美の声だったわ
「…祥子、麻衣がジャッカル・ニャンを出てこっちに向かってるよ。どうやら今日のドンパチはなかったって。で、相手は三田村さんの予想通り大打武次郎だったそうだよ。なので、それを踏まえてそっちも対応してくれってことだよ」
「そうか…。久美、確認するぞ。麻衣は暴れなかったが、宣戦布告は済ませたんだな?しっかりと…」
「うん!モロ、ケンカ売ってきたって」
「よし、こっちはそれを織り込んで客人とはケリをつける。で、私からだって伝えてくれ。ジャッカル・ワンには、都県境に常駐してた御手洗が私をヒットするミッションを受けた雇われの男と連れでお越しだとな。なんで、舐められたままで帰すわけにはいかない。しっかと私らの力は知っていただいてからお引き取り願うとな」
「わかったよ、祥子。三田村さんと真樹子さんには、そのまま伝えるから」
「頼む」
これで私の腹は決まったよ
…
「…御手洗さん、お待たせ。ええと…、今集まってる私らの仲間は、ジャッカル・ワンの風紀を乱し客をさらったあんたらクソ連中が全員、おとなしくお引き取りいただいたことを確認した後、引き上げます。なので、外の礼儀を知らないクソなお仲間を即時撤退させてもらいましょうか」
「津波…、貴様ぁ~、本郷麻衣は今日、手出ししないで戻ったんだぞ!それを知っての上でなのか‼」
「さあ…、そんなの、勝手に自分で想像してくださいな。…いいか、御手洗よう‼このジャッカル・ワンは私ら…、この都県境で猛る女たちにとっては聖域なんだよ!ヤクザがショバ代目的でタカってくれば、私らが潰す!大将の大打ノボルにも、はっきり伝えな‼」
「テメー、図に乗りやがって‼御手洗、こんなション便女にここまで舐められてありがとさんはねーだろ!」
「アンタは黙ってろ。…津波よう、ここでオレたちにの口から、”ハイわかりました”はねーよ、いくら何でもな!せっかくの機会だ。お前たちズベがどこまでやる気だかはこの目で確かめさせてもらう。やってみな!」
「そういうことなら…。とくとご覧あれだわ」
私は、入り口で既にウォーミングアップ中の迫田リエに目でゴーサインを発した
”了解!派手にやってやるよ!”
彼女からは無言でそうリターンが来たわ
へへ…、やってやる‼
”NGなき大ワル”さんよ、猛る女たちの熱いおもてなしをこってりプレゼンするぜ(笑)



