ツナミの女/80S青春群像『ヒートフルーツ』豪女外伝/津波祥子バージョン編【完結】

その41
ケイコ



砂垣さんの口から麻衣の名前が出ると、みんなは一瞬、驚いた様子だった

ただ、どうしても麻衣となると、それぞれ見解が分かれるよな

「さっき祥子からの話に出た相和会への口利きはよう…、みんなも察してると思うが、麻衣だろうよ。その麻衣は、三田村峰子とは今やツーカーの仲で、密に情報のやり取りをしているようだ」

このあたりは岩本真樹子さんが良く承知しているようで、隣の積田さんへ盛んに耳打ちしてる

まあ、状況説明ってところだろう

「…その三田村が、いち早く界隈の”動向”から、大打・東龍会ラインをキャッチしたんだ。そうとなれば、相和会の幹部と結婚することになる麻衣がこの状況を周知で、じっとはしていないはずだ。まずは…」

追川さんは、今後、この流れの中で、麻衣の行動は重要度か高くなると見ていたんだよな…


...



「…もう麻衣は動いているが、それはあくまで相和会内部の人間としてだ。だが、こっちのフィールドの動向とも連動してくる。どうしてもな。なので、麻衣とは一定の意志疎通を取った方がいいと思うんだ」

ここでの砂垣さんは、何ともストレートに提案してきた

「…無論、南玉やそれ以外でも、麻衣に対しては諸々あるだろうから、俺がパイプになってもいいし、そっちの真樹子とかが水面下で対クソ連中っての大義名分で、やり取りを保つとかもある。まあ、これはここでの提案ってことで、そっちサイドでじっくり揉んでもらえればと思う」

「うん、砂垣さんの言ってる主旨はよくわかるし、別途、よく話し合ってみる。なにしろ麻衣への対応では、今回でも百論百出だったからさ(苦笑)」

祥子は私の顔を見て、くすっと笑ってた


...



「まあ、俺としては大打と向き合うに当たっては麻衣を経由して、相和会の力も得ることは不可欠と見てるんだ。だがよう、そもそも星流会を連れ込んだ俺がさ、今度は相和会を持ち出すのも矛盾しちゃうよな。そっち側内部でも、麻衣ややくざもんをハナから拒絶しているメンバーへの説得もあるだろうから、ここでもう少し突っ込んで説明しておきたいんだが、いいか?」

「ああ、是非聞かせてもらおう、この際。なあ…」

祥子の言葉に、こっちサイドはみんな首を縦に振ってる

「…今から話すことはかなり際どくなるし、俺の推測も入ってるんで、ここにいるメンバー人間以外には絶対に伏せてもらいたいんだ」

私を除く両サイドの全員が了解の意を示してる…

ここで私は一言挟むことにした