ツナミの女/80S青春群像『ヒートフルーツ』豪女外伝/津波祥子バージョン編【完結】

その39
ケイコ



みんなはしばらくの間、沈黙しちゃってね

その場の空気はなんとも重苦しいものだったわ

「砂さん…、今日は、あんたの飛車角が一人足りないですね。蘇我さんは当然、ここには顔を揃えると思っていたんですが…」

積田さんが意味ありげに尋ねたんだけど…

「蘇我は抜けたよ、3人連れて…。大打の元に走ったと思う」

うわあ…、いやな予感は当たった

何人かのタメ息が重なって、ますます雰囲気はどんより曇り空だよ…


...



「そこで…、俺から二つ提案したいんだ」

砂垣さんはここで顔を上げ、声のトーンを変えて話し始めた

「…当面、対峙していくことになる奴らは、金曜の結果を踏まえ、オレ達が協調路線に乗ることを前提で行動に出る。そこで、諸星さんとべったりだった俺が前面に出れば、逆手に取ってオレを突いてくるだろうよ」

「要は都県境界隈の一般のガキからしたら、どっちも同じようなもんと見るってことでさ。そこの心理を計算して、奴らはカモのガキ連中に入り込むのが容易になるって訳だよ」

砂垣さんの発言を補足したのは大場さんだった

「うーん、それは言えるかもね。やくざに摺り寄ってた愚連隊のワルが、今度は女性勢力とくっついたとなれば、こっちのイメージもダウンするでしょ。奴らにとっては好都合よ。自分たちのダーティーな正体を目くらましさせることができるもん」

この岩本さんの解説はかなりわかりやすかったので、みんな納得してる様子だ

正面にいる多美と静美はフンフンと何度も頷き、「そうだよな…」って、互いに呟いてるし

じゃあ、そうなると砂垣さんの提案ってのは、それの対応策ってことかな