◇
青南学院から地元の駅まで戻ってきたわたし達は、駐輪場に置いた自転車を取りに行って、そこから五分の場所にあるスーパーに行った。
お母さんからラインで送られきた買い物リストは……。
鶏むね肉、にんじん、牛乳、小麦粉、バター。
それを見て、今日はきっとクリームシチューなんだろうなと思う。
うちのお母さんは特別料理上手ってわけではないけれど、昔から、クリームシチューは小麦粉とバターと牛乳でホワイトソースから手作りする。
お母さんのお母さん――、つまりわたしのおばあちゃんもそうしていたらしくて。うちのクリームシチューは日によって、まろやかだったりちょっとダマが残ってたりする。
でも、お母さんの作るクリームシチューはわたしも咲奈も拓も大好きだ。
野菜コーナーから順番にスーパーを回っていくわたしの後ろを、由井くんがついてくる。
お母さんから頼まれたものを次々とカゴに入れ、最後に牛乳の置いてある棚にやってきたとき、声を堪えて泣きながら歩いている男の子とすれ違った。
年は三歳か四歳くらいだろうか。男の子の近くに親がいる気配はない。
迷子、かな……。
気になって様子を見ていると、男の子が立ち止まって、ぎゅっと唇を噛みしめる。
やっぱり、迷子だ……。
そう思った瞬間、わたしの足は男の子のほうに向かって動いていた。



