「勉強が終わったらでいいんだけど、お買い物頼まれてくれない?」
「買い物? いいよ」
そう答えながら、ふと思った。
そういえば、由井くんとは学校と家までの往復と、近所のスーパー、それから図書館くらいにしか出かけてない。
青南学院の学校の近くとか、あの学校の生徒が行きそうな場所を巡ってみたら、なにか思い出したりしないかな……。
うん、名案かもしれない。
そう思ったわたしは、階段の上からお母さんに呼びかけた。
「おかあさーん、わたし、ちょっと出かける用事思い出した。買い物はその帰りでもいい〜?」
「夕方でも大丈夫よー」
お母さんの返事を確認してから、後ろの由井くんを振り返る。
「ねえ、由井くん。今から、一緒に出かけよう」
「それって、デート?」
部屋の中からわたしの様子をうかがっていた由井くんの瞳が、嬉しそうにキラリと輝く。
デート……。わたし的には、全然そんなつもりはなかったけど……。
ふたりで出かけるっていう点では、まあ……。
「デート、なのかな……?」
首をひねりながらつぶやくと、由井くんがぴょんっと部屋から飛び出してきた。



