思い出そうとして頭が痛くなるってことは、由井くんの中で記憶を思い出したくないっていう拒絶反応が起きているのかもしれない。そんな状態で無理やり思い出させるのは、危険かも。

 由井くんが今まで言っていたことから推測すると、彼がわたしのことを知ったのは、高校生になってからアキちゃんが里桜先輩と付き合うまでのあいだ。

 そのときに、電車の中で会っている――、もしくは、由井くんから見られて(、、、、)いる。

 最近のことだし、もし青南学院の制服を着たイケメンが同じ電車に乗っていたなら気付きそうなものだけど……。

 気付かなかったってことは、由井くんは数年前にはもうユーレイになってて、ユーレイの状態で、電車に乗っているわたしをどこかから見てたって仮説もたてられるのでは……。

 そうだとしたら、ちょっとホラーだ。