「なに? 衣奈は、青南学院の由井くんって人が気になってるってこと? その人と、どうやって知り合いになったの?」
「駅で会って……、青南学院の生徒だってことと、名字しかわからなくて困ってる」
隣に浮かんでいる由井くんをちらっと見ながら答えると、またなにかを勘違いしているらしいアキちゃんが「へぇー」とにやけながら頷いた。
「衣奈は、その由井くんて人のことが知りたいんだ?」
「うーん、まあ……。あとは、もしできたら、ここ何年かで、青南学院の生徒が巻き込まれるような事故とか事件がなかったも聞いてみてほしい」
ちょっと迷いつつそう言うと、それまでニヤけていたアキちゃんの顔が、わずかに険しくなった。
「え、なにそれ。どういうこと?」
「いや、うん……。ちょっと気になってることがあって」
「気になるってなに? 衣奈が知りたがってる由井くんて人が、なにか事故が事件に巻き込まれた可能性があるってこと?」
「いや、それはわからないんだけど……」
「わからないって、どういうことだよ」
煮え切らない返事をするわたしのことを、アキちゃんが怪訝な目で見てくる。
これはわたしの勝手な仮説だけど……。
ユーレイになってるってことは、由井くんはすでに、なんらかのカタチで命を落としてしまっているのだと思う。
事故や事件に巻き込まれたのか、それ以外の理由(これは、あんまり考えたくない)かはわからないけど。
もし、青南学院の生徒が巻き込まれるようななんらかの事故や事件が起きていれば、公にはならないまでも、学校内で情報共有があったかもしれない。
だから、青南学院に通っているアキちゃんの友達からなにか情報が得られればと思ったけど……。
アキちゃんには、不審がられただけだったみたいだ。



