「あれ? 出れたんだ?」
「うん。なんか、直ったみたい」
「えー、さっきまであんなにバタンバタ鳴ってたのに……」
アキちゃんが、信じられないといった様子でまばたきをする。
「すみません、せっかくきていただいたのに……」
わたしが謝ると、駅員さんは「いえいえ」と首を横に振った。
「故障かもしれないので、念のため、あとで点検してみますね」
駅員さんはにこやかに笑ってそう言っていたけど、点検したところで不具合は見つからないだろう。
改札の扉をめちゃくちゃに動いたのは、たぶん由井くんのせいだから。
アキちゃんと一緒に駅員さんに頭をさげると、学校へと向かう。
とりとめのないことを話しながら通学路を歩くわたし達の後ろから、由井くんが憑いてくる。
わたしとアキちゃんが付き合ってないってことは納得してくれた由井くんだけど……。学校に向かって歩いているあいだ、由井くんはずっとアキちゃんにガンを飛ばしていた。
アキちゃんと話しながら、由井くんがまたさっきみたいな怪奇現象を起こさないか気が気じゃなくて。わたしは、ずっとそわそわしっぱなしだった。
そのせいで、アキちゃんに聞きたいことがあったのをすっかり忘れていて、校門をくぐる直前で思い出す。



