「ほら、アキちゃん、早く行こう」
「なんだよ、急に」
背中を押して急かすわたしのことを、アキちゃんが不思議そうに見てくる。
「べつに。遅刻したら困るでしょ」
「まだ遅刻するような時間じゃないけど」
「そうだけど。わたし、日直当たってるんだよ。だから、早めに行って職員室に日誌取りに行かなきゃ」
「ふーん……?」
納得したような、していないような表情を浮かべるアキちゃんの背中をぐいぐい押して、改札へと向かう。
カバンからIC定期を取り出したアキちゃんが、ひと足先に改札を抜ける。アキちゃんに続いて改札を出ようとIC定期をかざすと、ピッと電子音が鳴る。
左右に開いた改札を通り抜けようとしたそのとき、とつぜん、わたしの前で、改札の扉がバタンとしまった。
ちゃんと定期を通したのに、なんで……?
おかしいなと思いながら、もう一度定期をセンサーにかざすと、改札の扉が開いて、わたしが通り抜けようとする直前でまたバタンと閉まる。



