わたし達がのっていたのは、ちょうど電車の3両目。
降りた場所は、二日前に由井くんと初めて出会って、一日前から憑けられることになったキッカケの場所でもある。
もしかして、最初に出会ったこの場所でなら、由井くんを引き離せるんじゃないだろうか。
気付いたらここに立っていたってことは、ここがユーレイになる前の由井くんにとってなにか意味のある場所だった可能性が高い。
たとえば毎日の通学ときに、いつもこの3両目の乗り場で降りて、青南学院のほうに向かう別路線の電車に乗り継いでいた……、とか。
「ねえ、わたしが学校に行っているあいだ、もう一度3両目の乗り場の前に立って待ってみたら? そうすれば、なにか忘れていたことを思い出せるかもよ」
電車を降りたあと、由井くんにさりげなく、駅のホームに残るように誘導してみる。
「そうかな……」
由井くんはあまり気が進まなそうだったけど、わたしだって、できることなら、学校に行くまでに彼を引き離してしまいたい。
「そうだよ。ほら、ちょっとそこに立ってしばらく待ってみて」
由井くんを3両目の乗り場の前に立たせると、わたしは電車に乗り降りする乗客の邪魔にならない場所に避けた。



