「そういえばお姉ちゃん、さっき大声で叫んでたけどどうしたの? 朝から部屋にGでも出た?」
咲奈が、朝からは絶対に出会いたくない虫のイニシャルを口にする。
部屋に出たのは虫じゃなくてユーレイなんだけど。目覚めたらユーレイが隣に寝てたとは言えないので、笑ってごまかす。
「夢見て寝ぼけただけだよ」
「朝から絶叫するって、いったいどんな夢見てたの? お姉ちゃん」
「さあ、目覚めた瞬間忘れた」
会話しながら、冷蔵庫に入れてあるパックのコーンスープを取り出して、カップに注いで電子レンジで温める。
熱々になったカップを電子レンジから取り出すと、わたしは咲奈と向かい合うように座った。
スープにたつ湯気にふーっと息を吹きかけながらカップに口をつけたとき、トントンッと階段を駆け降りてくる音がして、弟の拓がリビングに入ってきた。



