リビングに降りると、すでに制服姿の咲奈がダイニングに座っていて。両手で持った大きめなスープカップのフチに、ふーふーと息を吹きかけていた。
朝食用にレトルトのコーンスープを温めたらしい。ほんのりと甘く香ばしい匂いが漂ってくる。
その匂いに誘われて、わたしもコーンスープが飲みたくなった。
「おはよう」
キッチンに行く前に咲奈に声をかけると、「おはよ〜」と、まだ半分寝起きの声が返ってくる。
「今日は早いじゃん」
「うん……。英語の小テストで五回連続合格点切っちゃったから、朝のホームルーム前に再テストなんだよ……」
「え〜、それ、大丈夫? 来年はもう受験生なのに……」
すでに仕事で出かけているお母さんに代わって小言をいうと、咲奈がコーンスープをふーふーと冷ましながら、「へーき、へーき」と適当に返してくる。
それから、ふとなにか思い出したようにわたしを見てきた。



