枕元で、ピピピピッとスマホのアラームが鳴る。
最近は朝が寒くなってきて布団から出るのがつらいけど……。そろそろ起きなくちゃ。
うちの両親は、わたし達が学校に行くよりも早く仕事に出かける。だから、妹の咲奈と弟の拓を起こして朝ごはんを食べさせるのは、昔からわたしの役目なのだ。
布団の中で伸びをして、ゆっくりと目を開いた……、その瞬間。
「ぎ、ぎゃあーっ!」
わたしは思わず悲鳴をあげた。目を覚ましたわたしの隣に、制服姿の男の子が寝ていたからだ。
寝起きで死ぬほどびっくりしたけれど、良く見れば、その男の子は、昨日の放課後からわたしに憑いてきている由井くんだ。
昨日の夜。「ユーレイはどうやって寝るのか」と聞いたとき、由井くんは「眠たくないから平気」とか言っていて。
ユーレイって眠らないものなんだなと感心したのだけど、そういうわけでもないらしい。
由井くんは、人のベッドで身体を丸めてガッツリと寝ている。