今日も、由井くんに憑けられています……!


 手っ取り早く、霊媒師に頼んで祓ってもらう……?

 でもそういうのって、すごくお金がかかりそう。

 そうなったら、お父さんやお母さんにも説明が必要になってくるし。

 とりあえず、話し合いで、わたしから離れていってもらうしかない。

 わたしのことしか思い出せなくてわたしに執着してるなら、彼が他に執着できるものを探るしかない。

 でも、名前と通っていた学校しか手がかりのない状態から、どうやって探ればいいだろう。

 うーん、と考え込んでいるうちに、ふと、幼なじみのアキちゃんのことを思い出す。

 そういえば、アキちゃんの中学時代の友達に、青南学院を受験した子がいたはず……。そこから、何か手がかりが得られないかな……。


「衣奈ちゃん?」

 黙り込んで考えていると、由井くんがわたしの顔を覗き込んでくる。


「ああ、ごめん。ちょっといろいろ考えてて」

「いろいろ?」

「うん。あなたにわたしから離れてもらうためにはどうすればいいか、とか」

「やっぱり、おれ、衣奈ちゃんから離れなきゃダメ……?」

「ダメだよ。さっきのクレイの反応覚えてるでしょ。あなたが憑いてる限り、わたしはあの子に嫌われたままなんだよ」

 きっぱりとそう言うと、由井くんがしょんぼりと悲しそうな顔をする。

 そんな顔を見せられたら、ちょっと可哀想な気持ちになるけど……。

 わたしだって、クレイに嫌われたままなのは悲しいんだ。