わたしの斜め後ろに浮かんでいるイケメンユーレイを咲奈から隠すため、横歩きで二歩移動する。
だけど、空気の読めない彼は「あの子、衣奈ちゃんの妹?」と、わたしの肩越しにひょいっと顔を出してきた。
どうして、このタイミングで話しかけてくるのよ……!
無言で横目に彼を睨むと、咲奈が不審気にわたしを見てきた。
「お姉ちゃん、どうかしたの?」
わたしの横から男子高校生のユーレイが顔を覗かせているのに何の反応も示さないってことは……。どうやら咲奈には、彼の姿が視えていないらしい。
「べつに、どうもしないよ」
わたしが笑って首を横に振ると、咲奈がまだ不審そうな顔で「ふーん?」という。
とりあえず、咲奈を怖がらせずに済んでよかったけど……。わたしは、彼をどうすればいいのだろう。
買い物袋を持ってキッチンに向かうと、シンクの足元に置いてある皿の水を飲んでいたクレイがわたしの気配に気付いて顔をあげた。



