「由井くん、びっくりさせないで……」
泣きそうになりながらベッドのほうに駆け寄ったわたしは、由井くんの異変に気が付いた。
「由井くん、身体が……」
由井くんの身体の色が、いつも以上に透けて薄くなっている。
病室の窓際に立っている由井くんを見たときも、身体の透明度が強くなっているような気がしたけど、それ以上だ。
はっきりと見えていたはずの由井くんの身体の輪郭は、ところどころぼやけている。
「衣奈ちゃん……。おれの体、やっぱり死にたがってるのかな……」
由井くんが、輪郭を失って消えかかっている自分の両手を茫然と見つめる。
「そんなことないよ。死にたがってるなんて、あるはずない。冗談でも、死にたがってるなんて言わないでよ」
頭を振って精一杯に否定するわたしを、由井くんが泣きそうな目で見つめてくる。
由井くんが諦めたような哀しい顔をするから、わたしも泣いてしまいそうだ。



