廊下を引き返そうとしたとき、病室の窓のカーテンが揺れたような気がした。
よく見ると、窓のそばに青南高校の制服を着た男子生徒がぼんやりと立っている。
彼の身体は青白く透けていて、足は地面から少し浮いていた。
「由井くん……!」
窓のそばにいるのは、横断歩道のそばでわたしの前から姿を消した由井くんだった。
だけど気のせいだろうか。由井くんの身体の透明度が、いつもより強い気がする。
窓から差し込む沈みかけの太陽の残り日。それに照らされる彼の身体は今にも消えそうで。わたしは余裕なく彼に駆け寄った。
メニュー