「そうだ、病院……」
面会受付終了まで、まだ時間がある。
ユーレイ状態になっていた由井くんの意識がどうして消えたのかはわからないけれど、彼の身体は目の前の由井原総合病院の個室で眠っているはずだ。
うまく力が入らない足を必死に踏ん張ると、病院に向かって急ぐ。
受付を済ませて由井くんの病室に向かうと、いつも閉まっているスライドドアが開いていた。
誰か来ているのかな……。
そっと部屋を覗き込んだ次の瞬間、ドクンと胸が鳴る。
広い個室の中央に置かれたベッド。そこに眠っているはずの由井くんがいなかった。
病室の白い掛け布団は綺麗に半分に折り畳まれていて、そこに人が寝ていた気配はない。
どこに行ってしまったんだろう。
不安で、ぎゅっと胸が押しつぶされそうになる。
ナースステーションで誰かに聞けば、由井くんの居場所を教えてもらえるだろうか。



