心臓が激しく脈打っていて、手足が震えて、走っているのにうまく走れているかよくわからない。
自信をつけるために見た目を変えても、やっぱりだめだった。
中条たちに強く言い返すこともできず、結局逃げるしかない。
必死に逃げるおれを、中条たちが追いかけてくる。
目の前の通りの青信号が、点滅し始めている。
走りの遅いおれは、少しでも止まれば追いつかれる。
迷っている余裕もなく、通りの向こう側を目指して飛び出した、そのとき。
キキーッと耳をつん裂くような音が響いて。
気がついたときには、駅のホーム。3両目の乗り場の前に、おれはぼんやりとひとりで立っていた――。



