ある日の放課後、彼女に助けられたホームの3両目の乗り場の前で、勢いのままに告白をしてしまった。
全然うまく気持ちを伝えられなかったし、衣奈ちゃんと一緒にいた友達の女の子は、おれのどもりながらの告白に引いてる感じだった。
うまくいくわけないってわかってはいたし、やっぱりフラれた。
それでも、電車の中や乗り継ぎ駅のホームで彼女を見かけると、目が自然と追いかけてしまう。
フラれたあとも、おれにとっての彼女は特別だった。
衣奈ちゃんにフラれてからしばらくして、おれは乗り換え駅のホームで、彼女と親しそうだった爽やか男子高校生を見かけた。
おれが勝手に衣奈ちゃんの彼氏なのかなと思っていたその男は、別の女の子と手をつないで、駅のホームで電車を待っていた。
手を繋いだ女の子と幸せそうに笑っている彼を見て、なんだか複雑な気持ちになった。
彼が衣奈ちゃんの彼氏なのかと思ったけど、違うのだろうか。それとも、彼が二股でもかけてるんだろうか。
わからないけれど、男のおれから見ても明るく爽やかな印象の彼は、女の子にモテそうだった。
おれもあんなふうだったら、もっと堂々と衣奈ちゃんに告白できたかもしれない。衣奈ちゃんの視界に入れてもらえたかもしれない……。



