学校から家に帰る途中の乗り換え駅。その日も中条たちに嫌がらせを受けたおれは、ホームの3両目の乗り場の一番前の列に立って、ぼんやりと電車を待っていた。
反対車線の電車が、ゴーッと音をたてて駅に入ってくる。
電車のライトがパーッと目にまぶしくて、頭が少しフラフラする。
電車のライトを見ていると、すぅーっと線路のほうに吸い込まれてしまいそうな心地がしてきて、足が片方前に出る。
気付けばおれはホームの白線の外側に立っていた。
このまま、ホームの向こう側に行けば……。
その日のおれは、ひどく疲れていて、ふと思いついた自分の考えが魅惑的なものに思えた。
さらに一歩足が前に出て、ゆらり、身体が動く。
靴のつま先がホームの外側に少しはみ出しかけたとき、急に自分の行動に背筋が凍り、足がすくんだ。



