今日も、由井くんに憑けられています……!



 学校でいつもと変わらない日常を過ごしたその日の放課後。

 彼氏と帰る約束をしているという瑞穂と下駄箱のところで分かれて、わたしはひとりで駅に向かった。

 部活もバイトもしていないわたしは、基本的には学校が終わると真っ直ぐに帰宅する。

 共働きで帰りが遅い両親に代わって、洗濯物を片付けたり、夕飯の支度をするのがわたしの役目だ。

 無理にやらされているわけではないけれど、仕事で忙しいお母さんの代わりに妹や弟の世話を焼いているうちに、自然とそれが習慣になった。

 今日の夕飯、何にしようかな。

 家の冷蔵庫にある食材を思い出しながら、夕飯のメニューを考える。

 昨日は焼き魚と豚汁と酢の物だったから、今日は洋風なおかずでもいいかも。弟の拓が喜びそうなのは、ハンバーグかオムライスかな。

 そういえば、卵と朝食べるパンがなくなってたから、駅前のスーパーに寄らないと。

 家事の段取りと今夜の献立を考えながら、IC定期をかざして駅の改札をくぐる。駅構内の電光掲示板を見ると、電車が来るまでにはまだ五分ほど時間があった。

 急ぐ必要もなさそうなので、改札の前から伸びているホームにつながる階段をゆっくりと歩いて上る。