小さめの水槽がいくつも並んでいる廊下を抜けていくと、その先にクラゲの展示コーナーがあった。
クラゲのコーナーは、それまでの展示室よりも照明がさらに暗く設定してあって周囲や足元が見えにくい。
水槽には色の変わるライトが備え付けられているみたいで、黄色、緑、青、紫、ピンクとゆっくりと移り変わっていくライトの光で半透明のクラゲの見え方も変化する。それが神秘的で、とても綺麗だ。
「うわー、すごい」
スマホと取り出して幻想的なクラゲの写真を撮るわたしのそばで、由井くんは水槽に張り付いてクラゲを見るのに夢中になっている。
スマホを持っていない由井くんは、どの展示コーナーでも水槽の生き物たちを目を輝かせながら見ていて。頑張って綺麗なクラゲの写真を撮ろうとしてたわたしも、手に持っていたスマホをカバンの中にしまった。
綺麗な写真を撮るのもいいけど、幻想的な光景を網膜と脳にしっかりと直接焼き付けておくのもいいのかもしれない。
水族館の奥へと進んで行くうちに、少しずつ由井くんの笑顔が増えていて。子どもみたいに目をキラキラさせている由井くんの横顔を盗み見ながら、ここへ来てよかったと思った。



