眉間を寄せて考え込んでいると、アキちゃんが「あと、もうひとつ……」と、ためらいがちにを開いた。
「学校側が把握してたかどうかはわからないんだけど……、こないだ衣奈が知りたがってた由井 周は、中条 瑛士達のグループからいやがらせを受けてたって」
「え?」
目を見開くわたしのことを、アキちゃんが複雑そうな表情で見つめ返してくる。
隣に座る由井くんをちらっと見ると、彼も膝の上に手を置いた姿勢でちょっと驚いたような顔をしていた。
「由井 周は、高一の終わり頃から、中条 瑛士から暴力を受けたり、頻繁にお金を要求されたりしてた。それを見かけたことがある生徒もいたけど、中条 瑛士が怖くてみんな見て見ぬふりだったって」
アキちゃんの話に、わたしの手の指先から徐々に身体が冷えていく。
ふと思い出したのは、初めて由井くんのお見舞いに行った日にお兄さんから聞いた言葉だ。
『事故のあとに周のスマホを見たら、部活の連絡網みたいなグループラインぐらいしか登録されてなかったし。あと、周に嫌がらせしてたあいつら……』
お兄さんが言っていた嫌がらせをしていたあいつら、っていうのが、中条 瑛士たち……?



