「どうかしたの?」
「わかるにはわかったけど……、大野の話では、瑛士って人は青南学院でもあんまり評判がよくないみたい」
「そうなんだ」
駅のホームで見かけた瑛士と彼の仲間の顔を思い出しつつ頷くと、アキちゃんが意外そうな顔をした。
「そうなんだ、って。瑛士って人のこと、よく知ったりみたいな反応するんだな」
「よくは知らないけど、見かけたことがあるから」
「そうなんだ……」
一瞬、わたしを怪しむような目で見てきたアキちゃんだけど……。大野くんから聞いた瑛士のことを、いろいろと教えてくれた。
「衣奈が知りたがってるのは、高二の中条 瑛士のことだと思う。高等部から青南学院に入ってきたみたいなんだけど、一年の頃から校則を守らなかったり、人とトラブルを起こしてて、問題の多い生徒らしい。タバコ……、とかも学校に持ってきてたりとか」
やっぱり、前に駅で見かけたときにポケットから覗いていたのはタバコのケースだったんだな……。



