それから一週間。わたしと由井くんは、放課後になると毎日のように、彼のいる病室へと足を運んだ。
眠っている由井くんに話しかけてみたり、音楽をかけてみたり。いろいろなことを試してみたけれど、由井くんが目覚めることもなければ、なにかを思い出す気配もない。
「うーん……。どうしたらいいんだろうなあ」
「やっぱり、衣奈ちゃんがチューしてみるのがいいんじゃない?」
地元の駅から家に向かって帰る途中。由井くんが元に戻る方法を考えて頭を悩ませていると、彼がまた、真顔でそんな提案をしてくる。
「だから、それはないってば」
由井くんからのキスの提案を今日も呆れ顔で却下したとき、カバンの中でスマホが震えた。
スマホを取り出してみると、アキちゃんからラインが届いている。
「今から、アキちゃんがうちに来るんだって」
「え、今から? なんで?」
「さあ? なにか話したいことがあるみたい」
今からうちに来るというアキちゃんからのメッセージを見せると、由井くんが嫌そうに顔をしかめた。



