ベッドに眠る由井くんの綺麗な寝顔は、あたりまえだけど、毎朝わたしのそばで眠っているユーレイの由井くんとそっくりそのままで。
由井くんはやっぱり、今ここで眠っているこの人なんだ……、となんとも言えない気持ちになった。
でも、当の由井くんは、ベッドに横たわる自分の姿にすらピンとこないらしい。
「これ、ほんとうにおれなのかな……」
真上から自分の寝顔をマジマジと見つめてぼやいている。
「ユーレイかと思ってたけどそうじゃなくて、幽体離脱してる状態だったんだね」
「ユウタイ、リダツ……」
カタコトみたいにつぶやく由井くんは、やっぱりなにも思い出せないらしい。
「体に直接触ってみたら、戻れたりするんじゃない?」
「そうかな……」
わたしの適当なアドバイスにしたがって、由井くんがベッドに横たわる自分の手や顔に触れたり、身体の上に仰向けに寝転がってくっついて見ようとしたりする。
だけど、ユーレイ状態の由井くんの手や身体は、ベッドに寝ている本体をすり抜けるばかり。
「全然、身体に入れる感じしないよ……?」
五分ほどマジメに実践してくれたあと、由井くんがため息をついた。



