「はい」
「もしかして君は、周の彼女……、なのかな?」
なんだろう……、と思ったら。お兄さんから急にそんな質問をされて、ビックリする。
「え……!?」
おもわずちょっと過剰に反応すると、由井くんのお兄さんが困ったように苦笑いした。
「ごめんね。突然……。やっぱり違う、よね?」
「えーっと、はい……」
由井くんを気にしながら曖昧に首を横に振ると、お兄さんがなんだか残念そうな顔になる。
「そうだよね……。実は周がね、夏休みが終わったあとくらいから見た目を急に変え始めたんだ。それまで、髪型にも服装にも無頓着だったのに、好きな子ができたから、その子に見合うようになりたいって、ネットや雑誌とかで研究して頑張ってたみたい」
お兄さんの話に、話の胸がドクンと鳴った。
お兄さんが言ってる好きな子って、たぶんわたしのことだよね……。
由井くんのほうをチラリと見ると、彼が焦ったようにブンブンと首を横に振る。
「知らない、知らない。おれは何にも覚えてないから……!」
わたしにしか聞こえない声で必死に否定する由井くんがおもしろい。
ユーレイになって現れた由井くんの見た目が、駅のホームで助けたときとも、告白されたときとも違ってたのは、そういう理由だったんだ……。
自惚かもしれないけど、由井くんの変化がわたしのためだったと知って、胸が、なんだかほわほわした気分になる。



