突然現れたイケメンに動揺して挙動不審に視線を動かしていると、彼がわたしの手元の花束に気が付く。
「さっき、フロントから連絡もらったんだけど……。君がお見舞いの子だよね」
「あ、はい……!」
ピッと背筋を伸ばしてキレのある返事をすると、男の人が「ありがとう」と言って、ふっと笑った。
どうして、この人がお礼を言うんだろう。
疑問に思っていると、彼がほんの少し眉尻を下げた。
「挨拶が遅れたね。僕は由井 亨と言って、周の兄です」
「お兄さん……」
そういえば、由井くんには医学部に行っているという優秀なお兄さんがいるんだったっけ。
第一印象で目元が誰かに似ていると思ったけど、よく考えたら由井くんだ。
由井くんとお兄さんは全体的な雰囲気は違うけど、切れ長の奥二重の目元がよく似ている。
隣に立っている由井くんのことをちらっと見る。
お兄さんの顔を見たらなにか反応するかな。
そう思って期待したけど、由井くんはお兄さんのことを初めてあった人を見るみたいな目で見ていた。
家族に会ってもダメか……。
心の中でガッカリしていると、由井くんのお兄さんが「あの、ちょっと聞いてもいいかな?」と遠慮がちに話しかけてきた。



