◇
次の日の放課後。わたし達は学校帰りにそのまま由井原総合病院に向かった。
高校の最寄り駅から病院の最寄り駅までは、乗り換え一回で所要時間は約三十分。
駅を降りてからは歩いて五分ほどで。初めての場所だったけれど、なんとか迷わずにたどり着くことができた。
病院の前には小さなお花屋さんがあって、それを見て初めて、お見舞いに何も持ってこなかったことに気が付く。
「お見舞いのお花いるよね」
病院に入る前にお花屋さんに寄ろうとすると、由井くんが少し顔をしかめた。
「自分のお見舞いに花?」
「わたしから、由井くんへのお見舞いだよ。好きな花はある?」
お花屋さんの前で訊ねると、由井くんが「べつに」と首を横に振る。
「じゃあ、好きな色は?」
「オレンジ……、とか」
「オレンジ系、わたしも好き。あ、この花綺麗だよね。オレンジメインで、白とか他の色も混ぜてもらおう」
わたしはお花屋さんに入ると、店先にたくさん飾られていたガーベラの花でお見舞い用の花束を作ってもらった。



