「どうしたの? 朝からテンション低いじゃん」
トンッと、わたしの背中を励ますように叩いてくる瑞穂は溌剌としていて、わたしとは反対に朝から元気だ。
「別に。わたしはこれが通常運転。そっちこそ、なんかあった?」
訊ねると、瑞穂が「その言葉を待ってました」とばかりに、キランと目を輝かせる。
「わかる? 実はねー、じゃーんっ!」
にこっと歯をみせて笑いながら瑞穂が見せつけてきたのは、右の手の甲。その薬指には、昨日まではなかった銀色の指輪が嵌まっていた。
「昨日が三ヶ月の記念日でね、先輩が買ってくれたんだあ」
嬉しそうに話す瑞穂の口元は、ヘラヘラと緩んでいる。
瑞穂の彼氏はひとつ上の先輩。彼氏とは委員会がキッカケで仲良くなったらしく、夏休み前から付き合っている。
高校生になってから、わたしの周りにはカップルが増えた気がする。
アキちゃんもだし、瑞穂もそう。どうやったらみんな、好きな人と両想いになれるんだろう。
片想いを自覚したばかりのわたしは、里桜先輩と付き合っているアキちゃんや先輩とうまくいっている瑞穂がちょっと羨ましい。



