二棟の校舎に挟まれた中庭には、わたし達以外に生徒は誰もいなかった。
人の出入りが少ない中庭は、あまり手入れがされていなくて、花壇には背丈の高い雑草もたくさん生えている。
わたしとアキちゃんは、草だらけの中庭に申し訳程度に置いてあるベンチに座った。
あとからついてきた由井くんが、わたしの横にふわっと座る。
アキちゃんには見えていないけど、ふたりに挟まれるようにして座ったわたしは、なんとなく居心地の悪い気持ちでミルクティーのフタをあけた。
歩いている間に少し冷めてしまったミルクティーを飲もうとしていると、アキちゃんがおもむろに訊ねてくる。
「土曜日、青南学院に行ったんだってな。大野から連絡がきた」
「うん。大野くん、元気そうだったよ」
「みたいだな。それはいいんだけどさ、衣奈、土曜日に青南学院まで何しに行ったの? 大野は、衣奈がユイちゃんって子と待ち合わせてたみたいだって言ってたけど……。違うよな」
「違う、って?」
ドキッとしながら、鈍感なフリをして言葉を返す。そんなわたしの反応に、アキちゃんがちょっと困った顔をした。



