わたしは、アキちゃんのことが好きなのかもしれない……。
小学生の頃からの幼なじみに恋人ができた。そんな間の悪いタイミングで、わたしはアキちゃんへの恋心を自覚してしまったのだ。
少し先のコンビニの前では、里桜先輩の隣に立ったアキちゃんが、なんとも締まりのない顔でデレデレ笑っている。
好きな人のそんな顔を目の当たりにして、胸が苦しくなるとか、嫉妬でおかしくなるとか、そこまでではないけど……。
憂鬱にはなる。ため息が出る。
あー、やっぱり。
さっきはわたしのピンチを救ってくれたけど、アキちゃんの好きな人は里桜先輩なんだよな。
はぁー、っと盛大なため息をついてアキちゃんと里桜先輩から顔をそむける。
駅からの通学路を学校に向かってひとりで歩き始めたとき、「衣奈ー」と後ろから声をかけられた。
立ち止まって振り向くと、同じクラスの松川瑞穂が走ってきて隣に並ぶ。
「おはよう、衣奈」
「おはよ……」
ボソリと挨拶を返すと、瑞穂がバッチリとアイメイクした大きな目を瞬かせた。



