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貴志(たかし)ーっ、起きてるんでしょ?学校のお友達が来てくれてるけど」


ベッドに寝転がって前腕(ぜんわん)で目を隠し、何をするでもなくボーッとしていたらコンコンとドアをノックされた。

カーテンを閉め切った薄暗い室内。


友達…って、誰だ?


野球部の奴だろうか。

無断で部活を休んでるから文句でも言いに来たのかもしれない。


「貴志ーっ、開けるわよ」


問答無用で開くドア。


「何、この部屋!電気ぐらい点けなさい!」


(まぶた)の奥で視界が明るくなる。


「どうぞ座って。飲み物持ってくるから」


えっ?


母さんの声に慌てて飛び起きた。