『甲子園出場を決めた一年生ピッチャー』


それが話題になるのはあっという間で。

校内の女子や他校の女子、色んな人達が真鍋くんを見に押し寄せたり告白に来たり。


「今まで何の関心もなかったくせに…」


ボソッと呟くカナちゃん。

突然色んな人達から注目され始めて気が気じゃないみたい。


「何かあの日を境に、遠い存在になった気がする」


「…真鍋くんはそんな薄情な人じゃないよ」


「……分かってる…けど…」


バタッと机に倒れ込むカナちゃん。


その気持ちはよく分かる。

私だって響があんな風に突然皆から注目されたら…。


『嬉しい』より『複雑』になると思うもん。