自分の寮部屋に到着し、
部屋の中を少し見渡してみる。

まだ相部屋の人は来てないみたい。

優しい……人だといいなぁ。

大人しめの……口数の少ない……

自分と似てる人だといいなぁ。

なんて思いながら
持ってきた鏡に向かって笑顔の練習をする。

そこに写った私はあまり、
愛想のない……
ふたつ縛りの丸メガネ……

「にぃーーー……」

少しでも、自分が変われるように。

めいいっぱい口角を上げてみた。

最初が肝心ですからね。