「…藤雅、まだかな…。」



ソファの上で体育座りしながら、のんびりとテレビを見る。


この部屋のものは好きに使ってくれ、って前に来た時に言われたから。
お言葉に甘えて、テレビまで付けさせてもらっているけど…。
流し見してるだけだから、内容もよく分からないし入ってこない。


…やだな、寂しいな。
藤雅まだかな…。

藤雅の部屋で、藤雅の香りに包まれているせいで余計に寂しくなる。
この部屋の主がいないのが。



「まだ、1時間しか経ってないし…。」



わたしはどれだけ寂しがり屋なの。
こんな人間じゃなかったじゃない。


ポチポチとスマホを弄りながら、巡宛のメールなどもついでに確認する。



「あ…依頼来てる。」



この間、依頼してくれた人だ。
個人で活動してて、アニメやゲームを作ってるんだっけ。


また作詞をして欲しいとのことで、今回はエンディングの依頼だ。
納期は、10月中旬までっぽい。