なんとか帰り道を調べて。
バスと電車を乗り継げば、わたしの最寄りまでは帰れるようだった。



「…黙って行ったら、ダメだよね。」



だけど、もうあの宴会場に戻る気持ちにもなれない。
今は、藤雅にも会いたくない。
どうしたらいいんだろう。


宴会場から離れるために、適当に歩いてきたら辿り着いた中庭。
手入れもされているし、池には鯉も泳いでる。

明らかに、わたしとは住む世界が違う。
お金の面でも。
たかが高校生のわたしとは、誰がどう見たって釣り合っていない。



「…ごめんなさい…。」



ここに来て改めて実感した。
わたしと藤雅は釣り合わないって。


わたしには、藤雅の住む世界に来れるほどの気持ちはなかった。
そんな覚悟、たかが高校生のわたしにあるわけが無かったんだ。