「あ、おはよ!有村くん」




わたしは急いで声の主に笑顔を向けた。

彼は、有村 龍斗(ありむら りゅうと)という。

わたしの隣の席の住人で、何故かわたしに声をかけてくる。

わたしに興味なんてあるはずないのに。

4月になってわたしは高校1年生になった。

わたしの中学からこの高校に来たのはわたし1人だけ。

知ってる人が1人もいないここで、華々しい高校生活を送るのがわたしの夢だった。

でも、作られた笑顔じゃ仲間には入れなくて。

結局、キラキラと輝く女子グループには入れなかった。

優しい子達が集まった平和なグループに拾われて、なんとか生き凌いでる。

わたしはやっぱり輝けなかった…。