次なる視界/その8
麻衣


アンコウに送ってもらって、アパートについた

やっぱり痛い…

”粉”やれば気がまぎれるだろうから、今夜は一服盛ろう…

ああ、その前に剣崎さんには報告しなくちゃ…

...


あの剣崎さんが、今日の私には驚くほど案じてくれてるのがわかった

大黒病院には直に診断結果を確認していたし…(苦笑)

おそらく今日のうちに相馬さんへ首尾を入れるだろう

相馬さん…

...



それにしても、大黒病院での今日の4人での会話…

最後に私が言った意味、みんな、どこかピンときたみたいだった

ひょっとしたら、あの3人には、横田競子が一線を超えたことの影響が予測できるのかな

おけい…

これまでの都県境を、本当の意味で変容させられるのはお前なんだぞ

普通の女子高校生であるお前の息吹が、以降、私らの領域を大きく変えるだろうよ

その結果、私らの世界を超えたところにみんなも一緒に連れて行くことになるかもしれないよ

相馬さんはあの夜、お前を一目見て感じとったはずだよ、それをさ

お前と相馬さんが今回の展開で出会ってしまったことって、もはや事件なんだ

私だけで収まらなかったことがさ


...


そのことで、どういう局面が目の前に訪れ得るのか…

悪いが、私にはウキウキしてしまう気持ちを禁じ得ないよ

さあ、これからじっくりだ

とことん、地獄で遊ぼうな、おけい…


...


小指の痛みを”クスリ”でごまかしながら、気が付くと眠っていた

そして例の夢を見た…

中学時代のあの女教師、そしてナイフと赤い血…

私は人を殺すんじゃないのか

私は人に殺されるんじゃないのか

それは、幼い頃からの暗黒のループ

おけいと新たなステージに入った今、私の脳裏に戻って来た…