今日は待ちに待った12月24日。 芙羽梨の家に来るまでに色んな道を通ってきたけど、どこもかしこもクリスマス仕様だった。 恋人たちは手を繋ぎ寄り添い合っていたし、ケーキやプレゼントを嬉しそうに抱き抱えて歩く子供たちも大勢見た。 それだけみんな浮かれているということなのだろう。 ……それは僕も例外ではないわけで。 「お待たせしました…!」 普段の私服姿で玄関から出てきた芙羽梨を見て、心が弾む。 「全然待ってないよ?」 「それならよかったです…」