ズキズキと頭が響くのに耐えられず目を開けがここがどこなのかわからない。知らない部屋のベッドの上で背後から裸で誰かに抱きしめられていた。
千夏は一糸まとわぬ自分の姿に気づき、自分の犯した失態に気づく。
(やってしまった…。)
と初めて経験する一夜の過ちに、どうか背後にいる相手が同僚でないことを祈った。もし、背後にいる人物が同僚であれば今後お互いに気まずい関係が続く。それだけは嫌だった。
「千夏さん…。おはよ。」
(えっ!?この声ってNAGIの声?)
低く太いがどこかかすれた特徴的な声に最推しのNAGIではないかと思い、『まさか!』と胸がときめいたが、直ぐに『そんな奇跡は起こり得ない』と気持ちを落ち着かせてからクルっと振り返ると、どこか見覚えのある若い男性の顔がそこにはあった。なんとなく見覚えがあるものの名前が出てくるような知っている人物ではなかった。
(良かった…会社の人じゃない。…じゃあこの声って…。もしかして、本物!?)
NAGIは一切顔出しをせずに声だけで動画配信を行っているので千夏がNAGIかを特定するものは『声』で判断するしかなかった。
「…もしかして。な…NAGI」
「千夏さんまさか記憶飛んでる?俺、凪の兄の泉。廿楽 泉。」
(凪の兄??廿楽 ??ってまさか…。)
「えっ?まさかカフェでアルバイトしてる凪ちゃんのお兄さん!?」
(いっ…いったいどういう事?)
何がどうなっているのかサッパリわからないと言った表情で千夏は泉を見つめた。
(凪ちゃんのお兄さんだから見たことがある顔だと思ったのか…。まっまさか…。私ってば凪ちゃんもいるのにお兄さんと!?)
「やっぱ、記憶飛んでんじゃん…。2人きりの甘い夜を忘れるなんて俺ショックだわー。」
そういうと泉は千夏のおでこにリップ音を立てながらキスをした。
「俺、千夏さんのせいでめっちゃ体力使って頑張ったからまだ眠いんだけど。寝ていい?それとも、もう一回する??」
(私のせいで体力使った!?もう一回するっ!?…やっぱりわたしたち致してしまったのね…。)
「…いぇ。どうぞ…。寝てください。」
千夏が小さな声でもごもごと返事をすると泉は大きくあくびをし、再び強く千夏を抱きなおして寝息を立て始めた。
(声はそっくりだけど残念ながら配信者のNAGIではないみたい。でも…、起きたら凪ちゃんのお兄さんのベッドにいるなんて!!!!)
泉の腕の中で千夏は想像もしなかった現実に大人として深く反省をした。それからゆっくりと顔を上げ泉の眠りが深くなったことを確認すると気づかれない様に彼の腕から抜け出し、急いで脱ぎ散らかした服をかき集めて身に着けて逃げるように家を出た。
千夏は一糸まとわぬ自分の姿に気づき、自分の犯した失態に気づく。
(やってしまった…。)
と初めて経験する一夜の過ちに、どうか背後にいる相手が同僚でないことを祈った。もし、背後にいる人物が同僚であれば今後お互いに気まずい関係が続く。それだけは嫌だった。
「千夏さん…。おはよ。」
(えっ!?この声ってNAGIの声?)
低く太いがどこかかすれた特徴的な声に最推しのNAGIではないかと思い、『まさか!』と胸がときめいたが、直ぐに『そんな奇跡は起こり得ない』と気持ちを落ち着かせてからクルっと振り返ると、どこか見覚えのある若い男性の顔がそこにはあった。なんとなく見覚えがあるものの名前が出てくるような知っている人物ではなかった。
(良かった…会社の人じゃない。…じゃあこの声って…。もしかして、本物!?)
NAGIは一切顔出しをせずに声だけで動画配信を行っているので千夏がNAGIかを特定するものは『声』で判断するしかなかった。
「…もしかして。な…NAGI」
「千夏さんまさか記憶飛んでる?俺、凪の兄の泉。廿楽 泉。」
(凪の兄??廿楽 ??ってまさか…。)
「えっ?まさかカフェでアルバイトしてる凪ちゃんのお兄さん!?」
(いっ…いったいどういう事?)
何がどうなっているのかサッパリわからないと言った表情で千夏は泉を見つめた。
(凪ちゃんのお兄さんだから見たことがある顔だと思ったのか…。まっまさか…。私ってば凪ちゃんもいるのにお兄さんと!?)
「やっぱ、記憶飛んでんじゃん…。2人きりの甘い夜を忘れるなんて俺ショックだわー。」
そういうと泉は千夏のおでこにリップ音を立てながらキスをした。
「俺、千夏さんのせいでめっちゃ体力使って頑張ったからまだ眠いんだけど。寝ていい?それとも、もう一回する??」
(私のせいで体力使った!?もう一回するっ!?…やっぱりわたしたち致してしまったのね…。)
「…いぇ。どうぞ…。寝てください。」
千夏が小さな声でもごもごと返事をすると泉は大きくあくびをし、再び強く千夏を抱きなおして寝息を立て始めた。
(声はそっくりだけど残念ながら配信者のNAGIではないみたい。でも…、起きたら凪ちゃんのお兄さんのベッドにいるなんて!!!!)
泉の腕の中で千夏は想像もしなかった現実に大人として深く反省をした。それからゆっくりと顔を上げ泉の眠りが深くなったことを確認すると気づかれない様に彼の腕から抜け出し、急いで脱ぎ散らかした服をかき集めて身に着けて逃げるように家を出た。