「リーズ、戻ったよ」
「あ、おかえりなさい、ニコラ」

 ニコラが仕事から戻るとそこにはキッチンに立つリーズの姿があった。
 家にはないはずのエプロンをしておたまを持ちながら、ゆっくりと鍋をかき混ぜている。

「…………」

 ニコラはリーズのその新鮮な姿に思わず虚を突かれて、ぶわっと顔を逸らす。
 その口からは小さなか細い声で「やばいだろ、その服」と呟いていた。