『さすが、察しがいいな。アメリカだよ。海を渡る前にこちらの取り分が、別会社に捌かれてる』
七生は頭を抱えた。
やっぱり国内じゃない。
これでは一度、アメリカに飛ばなくてはならない。
『旭川にご執心な七生も面白いけどね、そろそろ仕事にも精をだしてもらいたいね。その感じだと、ものに出来たんだろ?』
「駆け引きは繊細なんだ。今、アメリカなんてとんでもない。ふたりの関係に配慮してもらいたいね」
『なにが繊細だ。彼女を適当な嘘で丸め込んでいるくせに。宝城がまだ計画進行中なのかって呆れていたぞ』
実は七生も、これほど上手く行くと思ってなかった節もある。
文は素直で従順だった。
なんでも一生懸命で愛らしくて、ますます好きになった。
「虚偽でも妄想でもなく、秘めたる想いに気付かせようとしているだけだよ」
『よく言うよ。ともかく、アメリカ行きは明日の朝だ。チケットとってあるから追いかけてきてくれ。俺は先に行ってる』
「おいふざけるな。俺は今、文と大事な時でーー……」
「……七生さん……?」
上掛けを巻き付けた文が、リビングのドアから顔を出した。まだ目が開いていないようで擦っている。
七生は頭を抱えた。
やっぱり国内じゃない。
これでは一度、アメリカに飛ばなくてはならない。
『旭川にご執心な七生も面白いけどね、そろそろ仕事にも精をだしてもらいたいね。その感じだと、ものに出来たんだろ?』
「駆け引きは繊細なんだ。今、アメリカなんてとんでもない。ふたりの関係に配慮してもらいたいね」
『なにが繊細だ。彼女を適当な嘘で丸め込んでいるくせに。宝城がまだ計画進行中なのかって呆れていたぞ』
実は七生も、これほど上手く行くと思ってなかった節もある。
文は素直で従順だった。
なんでも一生懸命で愛らしくて、ますます好きになった。
「虚偽でも妄想でもなく、秘めたる想いに気付かせようとしているだけだよ」
『よく言うよ。ともかく、アメリカ行きは明日の朝だ。チケットとってあるから追いかけてきてくれ。俺は先に行ってる』
「おいふざけるな。俺は今、文と大事な時でーー……」
「……七生さん……?」
上掛けを巻き付けた文が、リビングのドアから顔を出した。まだ目が開いていないようで擦っている。



