「お前の所業はお父上に報告させてもらう。被害届もしっかり出すから覚悟をしろよ。二度と文に近づくな」
「はぁ? ちょっと触ったぐらいで大袈裟に騒ぎやがって! こんなの大したことない。罪に問えるわけないね! 世の中の弁護士がお前だけだと思うなよ! 大山にだってお抱えの弁護士くらいいるんだよ!」
喚く賢を、七生は冷めた目で見た。
「そいつなら友人だ。日頃、放蕩息子の案件処理でうんざりしていたよ。おかげで過去の事例まで証拠がたっぷりある。
時効前のものはすべて世に出してやろうーーーーそれに、知識として知っておくと良い。わいせつっていうのは、状況と受けた側の気持ちで判断できて、それが認められた判例が過去にある。
文が嫌がって泣いた時点で、お前は立派な犯罪者なんだよ」
七生は、聞いたことのないような声で低く呻る。
怒っている七生はとても怖かった。
でも、それは文のため。
とても頼もしく感じた。



