ドS弁護士は甘い罠を張る。~病院で目覚めたら危険な男の婚約者になってました~

次第に耳朶や首にも行為は広がり、熱を帯びた手が体を這い回る。

「ねぇ、しよっか?」

聞きながらも、七生の手はセーターの中に侵入しはじめていた。

「……お腹空いてます……」

悪くはないが、行為の最中にお腹が鳴りそうだ。

「お預けは我慢できそうにない」

七生は文の意見を聞かずに服を脱がせにかかった。
文は心を鬼にして、その手をパチンと叩く。

恋人なら、立場は同等のはず。
これからは押されてばかりではいけない。
ふんと気合いを入れて七生を見た。

「しばらくはわたしが優先です! 七生さんは執行猶予つきなんですからね!」

まだすべてを許してないぞ、と虚勢をはった。
七生は目を丸くしてから、噴き出した。

「言うじゃ無いか!」

参ったよと初めて七生が譲歩する。
文が勝てたのは初めてだった。

「わたしの勝訴ですね」

「うそでしょ。俺、無敗の男でこの仕事通してるんだけど」

七生はお腹を抱えて笑い出す。

「やっぱり文は面白いよ。ーーーーそうだな、文にだけなら負けてもいい。可愛い。愛しているよ」

七生が嬉しそうに言うので、文も幸せだった。
しばらくふたりで、笑いながら抱き合っていた。