*** 「 先輩と」 ***
チョコレートを渡してしまったら、その他大勢と変わらない。
トクベツになりたいんだ。
私、先輩のトクベツになりたい。
「だからって、」
お腹を抱えて笑う先輩の手には、私があげたカツサンド。
購買で一番人気。なかなか手に入らない幻のカツサンドだ。
「他の誰にも負けたくないんです」
強気な言葉とは裏腹に、握りしめた手は緊張で震えていた。
先輩がぶら下げているいくつもの紙袋に視線を落とす。
ライバルはたくさんいる。
想いを伝えた先を、今ごろになって想像して、苦しくなった。
「ま、いいんじゃない?」
「……へっ!?」
驚いて顔を上げると、先輩の口がゆっくりと弧を描く。
「嫌いじゃないよ。っていうか、むしろ好き」
「えっ…。それって、どういう、」
「さて。どういう意味でしょう?」
いたずらっぽく笑った先輩が、ぱちぱちと瞬きを繰り返す私の頭を優しく撫でた。
《完》
チョコレートを渡してしまったら、その他大勢と変わらない。
トクベツになりたいんだ。
私、先輩のトクベツになりたい。
「だからって、」
お腹を抱えて笑う先輩の手には、私があげたカツサンド。
購買で一番人気。なかなか手に入らない幻のカツサンドだ。
「他の誰にも負けたくないんです」
強気な言葉とは裏腹に、握りしめた手は緊張で震えていた。
先輩がぶら下げているいくつもの紙袋に視線を落とす。
ライバルはたくさんいる。
想いを伝えた先を、今ごろになって想像して、苦しくなった。
「ま、いいんじゃない?」
「……へっ!?」
驚いて顔を上げると、先輩の口がゆっくりと弧を描く。
「嫌いじゃないよ。っていうか、むしろ好き」
「えっ…。それって、どういう、」
「さて。どういう意味でしょう?」
いたずらっぽく笑った先輩が、ぱちぱちと瞬きを繰り返す私の頭を優しく撫でた。
《完》



