*** 「 後輩くんと」 ***
「せんぱい!」
改札口で声を掛けてきたのは、最近やたらと目が合う後輩くん。
クリスマスなのに追試でした、と。制服姿の彼は恥ずかしそうに笑う。
完璧そうに見えて、勉強は苦手みたい。
「先輩は?」
「友だちと遊んでた」
「もしかして、おとこっ!?」
「ううん。おんな」
「そっか。なら、いいや」
その言葉の意味をわざわざ聞いたりしない。
聞かなくてもわかる。
「じゃあ、せっかくなんで」
ニッと白い歯を見せた彼がおもむろに私の手を握る。
「えっ…、なに!?」
「会えると思ってなかったから。嬉しくて」
「だからって、」
「一緒に過ごしませんか?」
「……え?」
ぎゅっと握りしめられた手を、振りほどくことはしなかった。
「知ってると思うけど。ぼく、先輩のこと好きなんで」
イルミネーションに照らされた彼の表情はどこか自信に満ちている。
「たぶん、先輩もぼくのこと好きでしょ?」
《完》
「せんぱい!」
改札口で声を掛けてきたのは、最近やたらと目が合う後輩くん。
クリスマスなのに追試でした、と。制服姿の彼は恥ずかしそうに笑う。
完璧そうに見えて、勉強は苦手みたい。
「先輩は?」
「友だちと遊んでた」
「もしかして、おとこっ!?」
「ううん。おんな」
「そっか。なら、いいや」
その言葉の意味をわざわざ聞いたりしない。
聞かなくてもわかる。
「じゃあ、せっかくなんで」
ニッと白い歯を見せた彼がおもむろに私の手を握る。
「えっ…、なに!?」
「会えると思ってなかったから。嬉しくて」
「だからって、」
「一緒に過ごしませんか?」
「……え?」
ぎゅっと握りしめられた手を、振りほどくことはしなかった。
「知ってると思うけど。ぼく、先輩のこと好きなんで」
イルミネーションに照らされた彼の表情はどこか自信に満ちている。
「たぶん、先輩もぼくのこと好きでしょ?」
《完》



