「いない…まさか、またアイツ…」
「(ぷぷーっ!)」
仕返し楽しい――と思っていた。
けど、
「迎えに行ってやらねーと…」
そう行って急いで玄関に向かう皇羽さん。直後に一瞬よろけたかと思うと、体勢を崩して、大きな体を思い切り床にぶつけた。
ガタガタン!!
大きな音が鳴る。私はビックリして、ただ皇羽さんを見つめていた。
あの皇羽さんがこける?
あんなにフラフラする?
「(絶対、調子悪いんじゃん…)」
そんな状態で、全く躊躇せずに「私の事を探しに行く」なんて…。あっさり決めないでよね…。
「(お昼は元気そうだったけど…。きっと熱がぶり返したんだろうなぁ…)」
皇羽さんはフラフラ起き上がって、玄関まで行く。そして時々ボーッとしながら、長い時間をかけて靴を履いた。
ハラハラしちゃうんだけど…。ちょっとあの人、大丈夫なの…⁉
だけど心配する私をよそに、困ったことにこの人は。
「待ってろ…萌々」
私の心配ばかりしてる。